彼岸にて「魂」を思う
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彼岸にて「魂」を思う
居を構えているそうだ。
ブリヤート人の墓園。
ロシア人ガイドさんによると、
「ロシア人は年に一度、墓参りをする。
ブリヤート人は墓参りをしない。
埋葬時に立ち会うだけ。そこにいるのは、男性だけ。
女性は絶対行ってはいけない。
これから身籠る身体に、差しさわりがあるといけないから」
ということである。
遠目にも、参拝をする習慣康泰旅行社 がないのがわかる。人の気配がまるでない。
日本人には、先祖供養という習慣がある。
私も割とマメに墓参するほうだと思う。
しかし、亡き人の骨に、その魂が宿り続けると思っていない。
もし骨に思念が残るなら、幼いころ投げ捨てた乳歯の数々にも、私が宿っているはずだ。
歯科医院には、た脫髮中醫くさんの霊が犇めいているはずだ(怖い妄想である)。
しかし、そんなことはない。
私は、魂を考える時、蝉の抜け殻を連想する。
大事なものは、もう飛び立っていった――そんなイメージをもっている。
墓の中でなく、故人を偲ぶ想いに宿るのだと思う。
仏壇であれ、墓前であれ、遥拝であれ、想えばつながる。
先に旅立った大事な人たちを思いつつ、再びの邂逅まで、前へ進むことを心の内で語る。
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